
気持ちが良い晴天。 空を見上げて、雲を見て、今日は撮影日和ではないか! なぜこんな日に撮影に行かないのだと自分を責めつつ家から出ず読書などにふける。
「冬の花火」渡辺淳一著 を薦められた。 著者について「失楽園」しか思い出せない無知な私は躊躇った。そして近頃、短文しか読めなくなってきた私に文庫本400ページは読破できるのかと思ったけど、そう時間はかからなかった。
中城ふみ子という歌人について描かれた本だった。
どこまでも「女」として生きる生き様に逞しさを感じらざるを得ない。 でも、そこにある何か。同じ女性として生きる私にとって痛々しさも感じながらも励まされるというか、何か原動力になった。
苦境に立たされれば立たされるほど、作品が良くなって行くという皮肉。 何かを生み出すには、苦境というのは伴わらければならないのか? なにを持って才能というのか?
一人の女性の一生を通して、ただ「女」として生きる事。 更に「妻」「母親」「娘」「作家」として生きていく様。 考えさせられる事が、多岐に渡りいくつもあった。
何度も危篤になりながらも、持ち越し生き続ける。
最後に「死にたくない」と。死した想いは計りきれない。
「冬の皺よせゐる海よ今少し生きて己れの無惨を見むか」中城ふみ子