その花は



とおい昔まいた、ひとつのタネ

どこでまいたか、どんなタネをまいたか忘れたまま

一瞬のような、永遠のような月日が流れる


タネの存在を、ようやく思い出す

ただ、どこにまいたか、どんなタネかも全く思い出せない


小さなヒントを手がかりに長い旅が始まる



タネをまいた場所を見つけた

芽吹いていた


想像もしていなかったところで芽吹いていた



やがて蕾をつけ少しづつ花開く

土壌からは栄養と水分を、空からは太陽の光と恵の雨を

一身に受け大きく花開く



そして永遠に咲き続ける






その花が、どんな花か気になるのなら、知りたいのなら

その花の、匂いを頼りに旅に出ればいい



いつか必ず見つけられるから





空は曇っているのに、とても眩しく感じた

© 2023 by mika Noguchi

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